Forget-me-not

備忘録

人身事故による運休で終電を逃し駅員の案内に従ってタクシーを使うも補償されなかった話

まず、人に記事を読んでほしいスケベ心で若干センセーショナルなタイトルを付けてしまったことをお赦しいただきたいです。

誰も悪くない(強いて言えば前時代的な法律が悪い)話なので全然怒ってません。

今後同じようなことになった時の備忘のためと、同様の状況に陥っている方・陥るかもしれない方の知識の助けになればと思い、経緯や得た知見などを書き留めておきます。

 

 

人身事故等の運休で終電を逃した場合、鉄道会社に補償を受けるためには

 

まず今回の一件で得た知見から言います。

 

とりあえず、運転再開してから何本かは電車が来るはずなので焦らず落ち着きましょう。

あと、乗り換えが2回以上あるような遠方まで帰ろうとしている方は、割とこの状況に陥った時点で詰んでる(=一銭も自腹を切らずに帰宅することは出来ない)可能性が高いです。

出来るだけ自腹を切る額を減らし、極力鉄道会社と痛み分けしてもらうという発想で臨みましょう。そうすると無駄に怒ることがありません。

 

  1. タクシーチケットなどで補償をしてもらえる範囲は、今いる駅の路線の鉄道会社の範囲内&別会社の路線は乗り換え1回で行ける駅まで
  2. 補償を受けるためには、定期券を所持しているか、切符を買っている必要がある(最重要) Suicaで帰ろうとしてる人は今すぐ切符を買ってください
  3. 自己判断をせず、まずは今いる駅で確実に補償してもらえる方法を教えてもらう(鉄道会社ごとに細かい規約が違うため、個別の状況によって色々異なるし、どうしても補償出来ないケースも大いにあるっぽい)

 

この3点を念頭に置くことが大事です。

 

「1.」に関しては、元々終電で接続している範囲までというルールらしいです。

例えば下北沢駅から山手線の目黒駅まで帰りたかった人が人身事故による運休で足止めを食らい、小田急線で下北沢-新宿までは行けたとしても山手線の終電に間に合えなかったというケースでは、新宿-目黒のタクシー代を出してもらえます

ただし、下北沢駅から東京メトロ東西線神楽坂駅まで行きたかった(下北沢-代々木上原(千代田線乗り換え)-大手町-神楽坂)けど千代田線の終電が無くなったという場合は、代々木上原-大手町までしか出してもらえません。しょうがない。

 

「2.」が最も重要で、Suica等のICカードでは「1.」の条件に当てはまってる範囲も含めて一切の補償を受けられません

理由は、「鉄道というものが元々国鉄時代から運賃を前払いで乗るものと法律で定められているため、ICカードの仕組み上それが無理なのは分かるのだが、補償の対象になるのは定期券や切符で前払いされている人のみ(電話問い合わせ時の回答原文ほぼママ)」と説明されました。国鉄て!!令和だぞ!!!

 

そういうわけなので、こうした運休での終電逃しの際に補償が受けられるか否かは、法律が時代に追いついていないのが大きなネックになってしまうようです。最悪だ。

ですが、逆に言えば普段Suicaを利用している人でも、運休で終電を逃しそうな状況に陥った時は、それが分かった時点で切符を買えば補償の対象に入るということです。

運休を知る前に買っていた切符ではなく、運休を知った後から補償を受けるために買った切符でもOKだそうです。

これについて電話応対してくれた駅長さんは「あまり大きな声では言えないのですが」と言っていたのですが、流石に無知により自分や誰かが損をするのは嫌なので大きな声で言っておきます。

 

 終電間際に運休になってる場合はとにかく切符を買いましょう!!!

 

切符を買ってから駅員さんに相談が◎です。

 

 

と、人身事故等の異常による運休で終電を逃してしまった場合、補償の対象になるには細かいルールがあるらしいのです。

そうそう無いとは思うんですが、急にこうした状況に陥ってしまうと、終電が無くなっちゃうかも……! という焦りでよく検索する余裕も無く自己判断で行動してしまいがちです。

また、駅員さん自身もテンパっているので案内が不足していたり、間違ってしまったりする可能性もあります。

正に私がこれでした。

というわけで、ここからは昨日の私に起こった事象の具体的な経緯を書いていきたいと思います。

有閑な人だけ読んでください。

 

 

実際に運休で終電を逃した人の日記

 

その日私は3月に出演する団地演劇(※注:団地の一室で上演する演劇)の稽古で、祖師ヶ谷大蔵に来ていました。

22時過ぎに稽古が終わり駅に着いたら電車が止まっていました。

20分後に運転再開とのことで、共演者たちと一駅歩いて成城学園前駅まで行ってみたりなんだりしたのですが結局1時間近く運転再開せず、そのまま終電を逃してしまいました。

 

 

ここで気になったのが、「この運休に関して小田急さんは私に何か救済をくださるのか?」ということです。

そこで私は駅員さんに、私の最寄り駅までの乗り換えルートを表示したスマホ画面を見せながら、ふんわりと聞いてみたのでした。

 

「あの~、この乗り換えルートで最寄り駅まで帰りたいんですけどもう終電に間に合えなくて……あの……タクシーとか……どうしたらいいでしょうか? というか、どうしてくれますか?(直球)」

 

若い女性の駅員さんは一旦裏にはけて何かを確認して、戻ってきました。

 

「お客様は定期券はお持ちですか?」

 

これを3回くらい聞いてきました。

最初に書いたように「定期券(か切符)があれば補償の対象になる」からでしょう。

ですが私はフリーランスで決まった現場に通うことは無いため定期券は持っていません。

なので、3回とも同じように「そんなものは持っていない」と答えました(三度イエス・キリストを知らないと答えた弟子ペテロのように)(雄鶏は特に鳴きませんでした)。

 

 

すると駅員さんはもう一度裏で何かを確認し、戻ってきて言いました。

 

「この駅でご対応することは出来ず、行けるところまで進んでいただき辿り着けた先の駅でのご対応になります」

 

 

嘘じゃね? と思いました。

 

私が見せた乗り換えは、他社路線を含んで2回乗り換えるようなルートでした。

他社路線までは行けちゃう時間だけど、他社路線の駅で対応してくれんのか……?

普通に無理でしょと思ったので「他社路線の駅でも大丈夫なんですか?」と確認したのですが、大丈夫だと言われたのでそのまま向かうことにしました。

信じられぬと嘆くよりも、人を信じて傷つくほうがいいって、武田鉄矢さんも言ってるので……。

 

そして最終的に辿り着けたのがこちらです。

 

 

私が緊急事態宣言前まで毎週ラジオをやっている地、大都会本八幡です。

ここが何とか辿り着ける、行きたかった駅に一番近い場所だったので……。

 

そして、不安ではありましたが、私は本八幡駅の駅員さんに尋ねました。

 

 

「行けるところまで行った先の駅で対応してもらうよう案内されたんですけど、小田急線の運休についてJRが何かしてくれるんですか?」

 

 

 

「えっ……と……それは……無理ですね

 

 

 

 

「そうですよね」

 

 

 

 

はい。

当然無理でした。そらそうやね。

 

本八幡駅の駅員さんに「明日小田急さんに問い合わせてみた方がいいと思います」と言われて、「そうします」ってことでとりあえず改札を出ました。

 

現状何も出来ないし、本八幡と言ったら私にとってはラジオをやる土地なので、1時半くらいでしたがとりあえずツイキャスをしてみました。

 

 

30分ほど喋ったら諦めもついたので、自宅までタクシーに乗りました。

キャス内でタクシー料金を調べたら4000円くらいということだったので、補償されなかったら手痛いなとは思ったけどまぁ4000円くらいなら……と思っていました。

 

 

 

何故なんでしょうか。もう何も分かりません。

何も分からないけど、とりあえず家には辿り着けたので寝ました。

 

 

翌日小田急に電話してみたところ、3部署回されて合計2時間くらいお話したけど結局

 

・(冒頭で書いてある通り)運賃を前払いした人しか補償できない法律があるので切符&定期券の人しか救えないから無理

・駅員の案内が間違っていたのは本当に申し訳ない、よく教育しておく

・そういう話がしたいんじゃないのは分かりますし当駅の職員の誤った案内のせいで決して安くはない金額を損失されたことは大変申し訳ないのですが本当にどうすることも出来ないです、申し訳ないとしか言えないのが本当に申し訳ないです

 

とのことでした。

文章で書くと淡々としちゃってちゃんと謝られてないように見えたり、私が怒ってるみたいに読めちゃうかもしれないんですけど、何か……ほんとにしょうがないんだなぁと思ったので分かりました、大丈夫ですということで終わったので、大丈夫です。

 

そういうわけで最初に「自己判断をせず、まずは今いる駅で確実に補償してもらえる方法を教えてもらう」と書いたのですが、今回のように駅員さんが案内をミスる可能性もあります

なので正直、終電間際で運休に巻き込まれたらその時点で割と詰み、というのが私の結論です。

運がいいとか悪いとか、人は時々口にするけど、そういうことって確かにあると、今回の件で実感しました。しょうがない、雨の日と人身事故はしょうがない。

そういうわけでこの曲聴いて寝ました。