芸名の銀行口座の作り方 ―小劇場舞台役者の場合―
先日、芸名で銀行口座を開くためにまずは開業届を出すぞの記事を書きました。
その後無事に口座も作れたので、その時のことを書きます。
芸名だけの銀行口座を開くには、ゆうちょ銀行しかない(2022年1月現在)
色々調べていくと、芸名(屋号)入りの口座を作れる銀行は何種類かあるのですが、ゆうちょ以外は「屋号+本名」になってしまうようでした。
なので、名義の表示が芸名だけの銀行口座はゆうちょ銀行でしか作れません。
大人しくゆうちょ銀行に行きましょう。
なお、申し込む際の窓口は、自宅最寄りなどの自分が一番行きやすい郵便局の窓口がいいです。
屋号でのゆうちょの口座は「振替口座(当座ってやつ)」になるのですが、振替口座の場合は申し込んだ郵便局の窓口でしか出金できません(WEBのゆうちょダイレクトに申し込めば大丈夫・詳細後述)。
あと多分その他何か変更とかの手続をする時も申し込んだ窓口でしか出来ない気がします(これは予想)。
別にどこの窓口で開設したかは振込時には分からないので、最寄りの郵便局で申し込んでおくのが良いと思います。
ゆうちょ銀行の注意点
ゆうちょ銀行の窓口は基本的に平日9時~16時しかやってないので、このためにスケジュールを調整した方がいいです。
確か申し込み完了までの所要時間は2時間くらいだったので、少なくとも午前中は空けておきましょう。
また、申し込みしたら即日使える訳ではなく、申込後受理されて実際に口座が使えるようになるまで10営業日ほどかかるとされています。
私の場合は3日くらいで受理されたのですが、申込みが集中した時などは10営業日くらいかかるらしいので、使い始めたい日が決まっているようであれば2週間くらいは余裕を持って申し込みをした方がいいです。
芸名の銀行口座開設申込時の持ち物
持ち物は以下の通りです。
- 開業届の控え *必須
- 印鑑(本名のもの) *必須
- 顔写真付き身分証(免許証、マイナンバーカード、パスポートなど) *必須
- 公式HPのコピーや過去の出演チラシなど、本人と屋号を結びつける証明になるもの
1~3は必ず持って行く必要があります。
1.の「開業届の控え」は、私の場合は開業届提出時の記事に書いたfreeee開業のPDFの印刷物(受領日・受付印が無いもの)でOKでした。
が、窓口の担当者によっては受付印等までしっかりチェックする人がいるかもしれないので、安全のためにe-taxの受信通知も印刷して持って行った方がいいかもしれません。
2.の印鑑はそのまま銀行印になるので、何か、そのつもりのしっかりめの印鑑を持っていくと良いと思います。どれか忘れないように。
4.の「本人と屋号を結びつける証明になるもの」なのですが、私は用意していったんですけど、担当の人が「別に開業届のみで大丈夫」と言ったので結果的には不要でした。
ただ、私が当たった担当者がゆるかっただけという説もあるので、一発で口座開設が出来るようにこちらも一応持っておいて損はないかと思います。
HPも無いしチラシもすぐ出ないよ~! という方はとりあえず1~3だけ持って行ってみよう。
ゆうちょ銀行での口座開設手順
郵便局に着いたらやることです。
1)ゆうちょ銀行窓口で「振替口座加入申込書」をもらう
まずは申込書をもらいましょう。
ゆうパックの伝票とかのところには無いので、窓口で声をかけて人間から受け取る必要があります。
その時に担当者の方から、これがどういうものか分かっているのか、開業届等は持ってきているのかといったことをやたら確認されるので、大丈夫である様子を示しましょう。
2)「振替口座加入申込書」を記入する
以下のように記入します。
黄色の箇所が要注意点です。
★住所の末尾に「(本名)方」を書く
後々郵便局からこの口座関係の書類が、下に書いた芸名のみの宛名で届くようになります。
そうすると、「あてどころに尋ねあたりません」とか言って一旦郵便局に返送されてしまってちゃんと届かないので、末尾に「○○方」と本名の苗字を書いておきましょう。
※(豆知識) 芸名のみの宛名で郵便物が届くようにするには
知ってるかもしれんけど、「(芸名)の人がこの住所に転居してきましたよ」という設定で郵便局に芸名で転居届を出すと、「○○方」が無くても芸名のみで郵便が届くようになります。
やってなかった人は振替口座加入申込書を出すついてに転居届も出すと便利だと思います。
ただし、私は転居届を出していたのに何故か届く郵便と届かない郵便が発生してしまったことがあって、再度郵便局に確認して「もう大丈夫です!」となったことがあったので、この方法は確実ではないのかもしれません。
なので、今回の銀行口座の申し込みに関しては「○○方」まで書いておいた方が安全です。
★芸名の横の「別名のみ表示」に必ずチェック
ここのチェックを忘れると「屋号+本名」の口座になっちゃいます。ゆうちょを選んだ意味よ。
なので忘れずにチェックしましょう。
3)提出する
諸々の書類を提出して、確認が完了するまで待ちます。
記入までで30~40分、書類確認完了まで30分、その他いろいろ説明を受ける時間で30分くらいで大体トータル2時間以内には終わったと思います。
その後申し込みが受理されて実際に口座が使えるようになると、通知が郵便で届きます。
これが確実に届いてほしいので、住所の末尾の「○○方」は忘れずに書きましょうね。
入金の確認方法&出金方法
この振替口座には通帳はありません。
銀行口座を記入する時によくある「普通・当座」の「当座」の方にあたります。
じゃあ入金の確認などをどうするかと言うと、ゆうちょダイレクトを使います。
PCもスマホも使えない人は別の方法があるのですが、そういう人はこのブログを読んでいないと思うので割愛します。
入金の確認方法
ゆうちょダイレクトに申し込んでおくと、入金されたら「ゆうちょ銀行 入金のご連絡」というメールが届くので分かりやすいです。
メールには入金してくれた人の名義は書いていないのですが、そちらはゆうちょダイレクトの「入出金明細照会」で確認可能です。
履歴も全部そこで照会できるので、「入出金明細照会」が通帳代わりみたいなイメージです。
出金方法
ここがちょっとめんどくさいです。
出金は以下の2つの方法があります。
- 口座を開設した時の郵便局の窓口で出金(手数料無料)
- ゆうちょダイレクトから他の銀行口座に振り込んで出金(手数料165円)
1.の方法を取る場合、手数料は無料ですが、平日9時~16時の間に口座を開設した時の郵便局に行かなきゃいけないので難易度が高いです。
2.の方法は、平日15時までに振り込み手続きを行えば即時他の口座に振り込まれて、すぐにその辺のATMで出金可能になります。
私は主にこちらの方法で出金しています。手数料165円をケチれる金銭感覚を持たないので、常に貧乏です。
ただし、15時を過ぎてしまうと翌営業日の振り込みになるので、金曜の夕方に急に金が欲しくなった時は最悪ですね。注意しましょう。
まぁこんな感じで出金のハードルが若干高いので、貯金がしやすいかも! と思うじゃないですか。
本の販売で諸々終わって5桁の上がりが出ていたはずなのに、全然いま残高3桁です。何でなん?
芸名の口座を作るメリット(用途)
- 何かを個人で販売する時に、お客さんに向けて本名を明かさずに振込先を提示できる
- ギャラの振り込みを芸名の口座に統一する&なるべく芝居関係の出費はこの口座から出すことで、確定申告の際に芝居関係の出納が把握しやすい
今のところ感じているメリットはこんな感じです。
個人的にはどちらも割と大きいです。
別に口座開設にお金はかからなかったし、暇なら作っておくと便利なんじゃないかな~と思いました。