Forget-me-not

備忘録

【ミュージカル】『残酷歌劇 ライチ☆光クラブ』 感想

2016.12.27 前楽回観劇 @AiiA 2.5 Theater Tokyo

 

高校時代から周りに「絶対好きだよ、読みなよ」と言われていながら何故か2014年の正月まで読んでいなかった、漫画「ライチ☆光クラブ」。

しかし読んでみれば案の定惚れ込んでしまい、読んだ3ヵ月後に自身が監督したAVにも影響を色濃く反映させるくらいには勢いよくハマってしまったわけなのですが、もちろん大元が東京グランギニョルの舞台作品だということは存じていたため、やはり板の上の光クラブが見たいなぁと思っていたところで友人から今回のミュージカルにお誘いいただき、夢が叶ったという感じでした。

 

*以下演出等のネタバレ含みます。

 

 

 

冒頭、開演待ちでざわめく会場でおもむろに世界史の女教師が登場し、観客を蛍光中の生徒に見立てて綺麗な声で「起立、気を付け、礼……誰もやらない」からの「これだから蛍光中はゴミクズなんだよォ!」みたいなドスの利いた台詞、いい演技だなぁと思っていたら後のシーンでのポールダンスも素晴らしく、女優さんの芸達者さに感動でした。

 

と、女教師の独り語りが終わると暗転し、例のピー ピーという笛の音が聞こえてきます。
ここで「あ、光クラブだ。本当にあったんだ」と強く実感し、もはや冒頭から暫く涙が止まりませんでしたw


あの笛の音は本当に観客をライチの世界に引き込むというか引きずり込む、素晴らしい装置だと思います。

また、音楽とダンスがとても良かったです。


ダンスに疎いので何と言うジャンル名なのか分からないのですが、クラブミュージック?のような電子音の利いた音楽と、カクカクした独特のダンス(語彙力の無さ)がとにかくめちゃくちゃかっこよくて、観劇後にダンスの演出や振りを担当していた東京ゲゲゲイさんの動画をひたすら見てしまうくらいファンになりました。


デンタク役のBOWさんがゲゲゲイのメンバーだったのですが、女性がデンタクをやるというのも素敵だし、電子的な感じが表現されていて非常に良いキャスティングだと思いました。


また、3人の黒いダンサーが要所要所で登場し、ダンスで場面を彩る演出が、全く邪魔でないどころか妖しくて最高にかっこよかったです。

今回のミュージカルは、「ミュージカル」という原作漫画とも大元の舞台ともかなり形式が異なるものであるにも関わらず、原作の根底に流れるシリアスさ・エロさとそれを味付けるシュールなギャグのバランスを完璧に取り込んでいて、「ミュージカル版ライチ光クラブ」としての形がしっかりと完成されていたように思いました。 

何故か分からないけど、すごく良かったということを伝えたいのにこの作品に向き合おうとすればするほど語彙力が低下してしまいます。何故でしょうか。
とにもかくにも伝えたいことは、ミュージカルとかが苦手でも、ダンサーとか出てくるの?と思われたとしても、「ライチ光クラブ」という作品のファンであるならば、絶対にDVDは買って後悔しないはず 、ということです。

そのくらい素晴らしい作品でした。もう1回生で見たかったなぁ。